学校の先生たちはもう限界!休職多発の現状を解説
近年、学校の先生の過酷な労働環境が問題視されています。
2019年度において、心の病で休職した教職員は約5,500名です。
退職した職員数を含めると、なんと6,300名程度にもなります。
その中でも、ベテラン教員の休職数が多い傾向にあります。
2019年度だと、50代以上の教員が最多の約1,800名となっています。
ストレスによる心の病は、教育現場の課題の1つと言えますね。
教職員の心の病の原因には、以下が考えられます。
・教員数の減少による業務負荷の増大
・部活動やクラブの指導のための休日出勤
・残業手当のつかないサービス残業の常態化
・生徒やモンスターペアレントからの精神的負荷
学校の先生は、授業以外にも様々な業務を抱えています。
学校行事の計画や定期テストの準備、保護者対応などがその例です。
時期によっては、複数のタスクを並行して進めなければなりません。
この状況下で、精神疾患や心の病を患ってしまうことがあります。
学校教育の改善には、この問題を避けて通ることはできません。
把握できる休職数はごく一部!ストレスフルな教員の仕事
先ほど、心の病で休職した教職員は約5,500名と書きました。
ですがこれは、公立学校や特別支援学校だけの数です。
私立学校を含めると、この数はさらに増えると予想されます。
加えて、上記は「あくまで心の病と診断された」休職人数です。
そのため、通院していなかった教員はカウントされていません。
心の病と気付かずに辞めた教員は、もっといることでしょう。
また近年では、教員の過労死についても問題になっています。
長時間労働や精神的ストレスが原因で、死に至ることがあります。
持ち帰り仕事も、それに拍車を掛けていると考えられます。
このように、学校教員の仕事環境は厳しい状況です。
教員志望者が減っていることも、このことに拍車をかけています。
マルチスキルを求められる学校の先生!ゆとり確保が必要
学校の先生は、様々なスキルが求められる職業です。
他の職業と比べると、かなりのマルチスキルが必要です。
例として、授業を例にとってみます。
授業で何より必要なのは、学生に伝えるスキルです。
教科書の内容を、噛み砕いて解説しなければなりません。
また授業では、ライディングスキルも必要となります。
黒板に正しい文章を書いて、それを学生に説明します。
読みやすい字で、わかりやすい内容で書かなければなりません。
他にも、コミュニケーションスキルなども授業では重要です。
授業だけでも、こんなにも必要となる能力があります。
もちろん授業以外にも、先生の役割は多岐にわたります。
部活動・学校行事・テスト作成など、いろんな仕事を行います。
また保護者の対応も、現状は担任の先生が行っています。
こんな環境だと、ゆとりを持って仕事に取り組むことは困難です。
どんな人でも、肉体的・精神的な負荷がかかってしまいます。
学校教育の改善のためにも、教育現場の見直しは必須です。
まとめ「休職に追い込まれる教員とその負担について」
学校の先生が抱える負担や、休職に至る現状をお話しました。
まとめると、以下のようになります。
・2019年度に「心の病」で休職した教職員は約5,500名
・退職してしまった人数を含めると約6,300名
・私立学校の教員を含めると、さらに人数は増える
・マルチスキルや長時間労働を求められるのがその原因
・解決には、教員の働き方にゆとりを設けることが必要
多忙な働き方が、学校教員を苦しめてしまっています。
教員の増員や分業化を進めて、ゆとりの確保が必要です。
無理なく働ける教育現場づくりが、今後の課題になりそうです!